ものの大きさの印象を伝える画像インタフェース



概要


画像を通して見たものの大きさと,実際に見たものの大きさの印象を一致させることは難しい.

本研究は,情報としてのサイズを伝えるだけではなく,対象を見たときに感じる大きさの印象を伝えることができる画像メディアの実現を目的としている.

これまで,確信を持って大きさを感じるために,対象物を参照物体と並べて撮影した画像を,画像に写っている参照物体を手に持った状態で観察する方法に取り組んだ.大きさの比較対象となる参照物体の種類として,マッチ棒やコインのような1次元,2次元的なものに加えて,3次元的なものも含めて実験した.

我々の実験では,参照物体に対して対象物が小さいときより大きいときのほうが,参照物体により大きさ判断の確信度を高める効果は小さい傾向が見られた.これらの結果は,単純な形状であるホットケーキの食品サンプルを用いた限定された条件によるもので,対象物の形状や撮影角度などの条件を変えたさらなる実験が必要である.

メンバー


学会発表


・松佳奈, 遠藤平, 越後宏紀, 小松孝徳, 小林稔. 参照物体を用いた大きさの印象を伝える画像インタフェース. 情報処理学会論文誌, 2020, Vol.61, No.1, p.79-87.

・松佳奈, 遠藤平, 越後宏紀, 小松孝徳, 小林稔. 参照物体を用いた大きさの印象を伝える画像インタフェース手法の検討. サイバースペースと仮想都市研究会, 2019, Vol.24, No.CS-4, p.17-20.

・遠藤平, 松佳奈, 小松孝徳, 小林稔. スマートデバイスを用いたものの大きさを把握する方法の検討. 研究報告グループウェアとネットワークサービス, 2019, Vol.2019-GN-106, No.42, p.1-7.

・Kana Matsu, Takanori Komatsu, Minoru Kobayashi. Study on the Use of Reference Objects to Convey an Impression of Dimensions. HAI '18: Proceedings of the 6th International Conference on Human-Agent Interaction, 2018, p.359-361.

・松佳奈, 小林稔. 大きさの印象を伝えるための参照物体利用の検討. 研究報告グループウェアとネットワークサービス, 2018, Vol.2018-GN-105, No.9, p.1-8.

・松佳奈, 小松孝徳, 小林稔. 大きさの印象を伝えるための画像重ね合わせ表示の検討. サイバースペースと仮想都市研究会, 2018, Vol.23, No.CS-1, p.23-28.

・松佳奈, 小松孝徳, 小林稔. ものの大きさの印象を伝えるための飛び出す絵本を模した表示方法の検討. 研究報告グループウェアとネットワークサービス, 2018, Vol.2018-GN-103, No.33, p.1-8.

・松佳奈, 井上一真, 小松孝徳, 小林稔. ものの大きさの印象を伝える画像インタフェースの検討. 研究報告グループウェアとネットワークサービス, 2017, Vol.2017-GN-100, No.22, p.1-7.